【日本家屋の間】日本家屋の間は普段はがらんとしている。はじめから間の用途があるわけではない。だが寄合があるとそこにずらりと座卓が並べられ、座布団が敷かれ、人が集まり会合がはじまる。寄合が終わればそれらはすべて片付けられ、また普段に戻る。舞などの稽古が行われるときはその様に、三味線などが披露されるときはその様に、講談などが催されるときはその様に、婚姻の儀などが執り行われるときはその様に、その間が設られる。そして終われば、また普段に戻る。間は普段およそ空っぽで、何かが起きるとき、それに応じ間に呼びこまれ、そこが変わる。いわばなだらかな窪み。