はじめに

写真は幕末に開国と共に日本に入ってきました。もちろん最初は、写真機も高価で、技術も必要で欧米人の技術者から学びました。幕末の武士や豪商などが今でも写真が残っていますが、庶民の間で写真が普及するのはずっと後の時代になってからです。

このサイトでは絵葉書の写真を多く掲載しています。写真入りの絵葉書が許可されるのは明治33年頃からとなります。それはちょうど日本の登山史と重なり合います。絵葉書の良いところは大雑把ですが撮影された年代がある程度わかりキャプションに撮影場所が書かれている点です。

  1. 1900~1907(明治33年~40年3月)  
  2. 1907~1918(明治40年4月~大正7年3月)  
  3. 1918~1933(大正7年4月~昭和8年3月)  
  4. 1933~1946(昭和8年4月~21年7月)  
  5. 1946~現在(昭和21年7月~)

消印では無く、裏面の仕切り線などのより上記の年代に分かれます。撮影年月と発行年月のずれはもちろんありますが、おおよその年代は分かります。

もう一つの良いところは、プロのカメラマンが撮影してるところです。中には、決して上手でない物もありますが戦前までおびただしい数の絵葉書が発行されています。その中から良いものを取捨選択できる点が挙げられます。

写真だけでは無く、当時の版画や絵なども同時に掲載しています。特に昭和初期の作品は美術的にも優れたものが多く見れます。ぜひゆっくりとご覧になって下さい。

わずか9センチ×14センチの絵葉書の中の壮大な景色を御楽しみ下さい。

このサイトでは本近代登山の師としてウォルター・ウェストンも同時に取り上げています。ウェストンの日本近代登山史の強い影響を与えました。近代登山とは、信仰のためでもなく生業や職務のためでもなく、遊びあるいはスポーツとしての山登り、それを楽しみ、価値を見いだす活動です。ウェストンが来日したのは、明治21年(1888)4月当年26歳。明治23年に富士山に登頂、日本アルプス中心の本格的な登頂は明治24年からです。

今回ウェストンの足跡を追いながら、同時代に発行された絵葉書を中心に、ひも解いていきたいと思います。この時代にウェストンが見た景色と同じ景色が古い100年前の絵葉書に写っているかもしれません。100年前の山の絵葉書なんてほとんど変わっていないじゃないのと思われる方も多いと思います。確かに厳しい山の姿は100年位ではなかなか変化は有りません。

一方で、今はもう見る事の出来ない失われた自然も多く写されています。山を取り巻く環境は、人間を含めこの100年で大きく変わりました。登山の考え方、服装や装備、宿泊施設、等々の変化を楽しんでいただけたらと思います。

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