對山館(たいざんかん)楼上より北アルプスを望む

大正2年ウェストンは、大町を経由し白馬岳の大雪渓を目指しました。その時に休息をしたのが大町の對山館です。ウェストンは滞在日中に都合4回この旅館を訪れています。この若い当主は、百瀬慎太郎と言う熱心な登山家で、ウェストンは山で会った事が有ると記述しています。

登山の大衆化が進んだ大正期、現金収入の必要機会が増大した山村の生活状況、山小屋の経営姿勢などからトラブルが頻発しました。事態を改善すべく、大正6年、百瀬慎太郎が唱導して「大町登山案内組合」が結成されました。百瀬は、山案内人や、人夫の資質と技術の向上、提供労務と賃金などを規約に盛り込みました。

毎年6月には百瀬慎太郎の名を冠した慎太郎祭が、夏山シーズンの開幕を告げる開山祭として、その年の安全登山を祈願し、神事、記念登山、高山植物の観察会などを行なっています。この絵葉書は對山館そのものは写っていませんが非常に珍しい物です。

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